クリスマスイブの移植手術は無事終了。
遠くのドナーで虚血時間が3時間半になり、心臓の立ち上がりが悪かったのですが、何とかうまくいきました。 控え室の家族に説明に行くと、大勢の人が。。 子供が10人もいるそうです。孫も入れたら何人いるかわかりません。 家族から取り出した心臓をもらいたいとの申し出がありました。 イスラエルに持ち帰って埋葬するそうです。 実は手術中に2例目の移植のオファーがあることを知りました。 今度は補助人工心臓を付けている人の心臓移植手術。 移植責任者のN先生が前立ちです。 1例目が終了して1時間後に手術開始して、終わったのは25日朝の9時。 癒着と術前服用していた抗凝固薬のせいで、結構大変な手術になりました。 前日朝から当直の締めが、徹夜の連続2件の心臓移植手術で、ヘロヘロです。 「ああやっと解放される」と思った手術終了間際に、何と3例目のドナーのオファーが。。 今年103例目の心臓移植手術です。 コーディネーターと電話で話しているN先生を見る目は少し涙目になってます。 麻酔科のドクターや看護師さん、人工心肺技師さんたちの視線もいっせいに彼に集まります。 クリスマスの日に緊急手術するよりは、家で家族と過ごしたいというのが、やはり本音です。 「アクセプトするわ。先生とM君(チーフレジデント)で手術してくれる? でも当直明けで大丈夫?」 「あ、、、はい。全然大丈夫。」 思わず座り込みそうになりました。 幸か不幸か3例目の移植手術は、その後優先順位の高かった他の病院のレシピエントに回る事になりました。 #
by ctsurgeon
| 2006-12-26 07:54
今日は24日。病院当直です。
アメリカ人はクリスマスに対しての思い入れが強く誰も当直したがらないので、必然的に日本人の僕に回ってきます。 もう病院当直をする義務は免除されているのですが、当直料をもらえるのと、フェローの人手不足のために月に4−5回当直をしています。 うちの病院では胸部外科フェローの当直は、心臓呼吸器外科術後患者(ICU、一般病棟)だけでなく、別棟のBaby hospitalやER(救急)を含めた病院全体の胸部外科コンサルトを1人でカバーしています。開心術だけで2000例ある病院ですから、こう書くとさぞかし大変そうですが、幸いなことにICUや病棟には外科や麻酔科のレジデントがいて、彼らがfirst callを取ってくれるので、しょうもない事で呼ばれまくるという事はあまりありません。朝夕と簡単に回診して、彼らに必要な指示をするだけで、彼らが対処できないような問題が発生した時にコールされることになっています。 今日は朝からLVAD患者の閉胸。chest tubeを入れたり、回診したりしているうちに夕方に。 今夜の8時半ですが、新しくチーフレジデントになったM君と2人で、これから心臓移植手術をすることになっています。 レシピエントの患者さんはイスラエルから来た人で、とても敬虔なユダヤ教信者です。すでにオペ場の控え室には大勢の親族が集まっています。 聞けば、さらにたくさんの人が今飛行機に乗ってイスラエルから駆けつけているとのこと。 24日の夜9時半執刀開始。終わるのは25日になるでしょうから、大きなクリスマスプレゼントになりそうです。 それでは行ってきます。 #
by ctsurgeon
| 2006-12-25 10:23
NYの街だけでなく、一般の家でもクリスマスの飾り付けが奇麗です。
すごく気合いの入っている一角もあり、地元の観光名所になっています。 ↓ここまで来ると住宅というよりは、パチンコ屋かラブホテルのようです。いったい電気代いくらかかるのでしょうか?(残念ながらこの家は今年はイルミネーションが消えていました。他のサイトから写真借用しました) ↓我が町の消防署もすごい事になっています。 #
by ctsurgeon
| 2006-12-18 12:33
早いものでチーフフェローのA君も今週で6ヶ月のチーフを終了します。
先週のカンファレンスで彼の手術経験の発表がありました。 年に2回、各フェローが経験した症例数(執刀数)を発表するのですが、メインイベントはやはりチーフのプレゼンテーションです。 ここで簡単にプログラムの説明をすると、2年間に成人心臓外科、小児心臓外科、呼吸器外科をローテートします。その順番は 1)成人心臓外科(3ヶ月):主に第一助手、開閉胸、カニュレーション、IMA。 2)小児心臓外科(3ヶ月) 3)呼吸器外科 (6ヶ月) 4)小児心臓外科(3ヶ月) 5)成人心臓外科(9ヶ月): 最後の6ヶ月はチーフフェロー。ほぼ100%執刀。 彼の症例数(15ヶ月の心臓外科のみ)を抜粋しました。 Total number of cardiac operations: 445(第一助手含む) そのうち術者として執刀した症例の内訳は下のとおりです。 Total number of cardiac operations as surgeon: 348 (うちReoperations: 74) Total number of cases by chief resident (6/8-12/7): 268 Aortic valve: 76 AVR: 42 AVR with CABG: 27 AVR with root enlargement: 7 Aortic operation: 53 Root replacement: 32 (with CABG 6. with Mitral surgery 8) Valve sparing (David): 8 Hemiarch: 6 Total arch: 7 Thoracoabdominal: 1 Mitral valve: 62 MV repair: 34 (with CABG 10) MVR: 28 (with CABG 7) (うちMVR/r + AVR: 13) isolated CABG: 98 (うちoff pump: 41) その他: 59 Heart transplant: 26 VAD: 5 Others: 21 348例の執刀症例のうち268例はチーフフェローの間の6ヶ月で経験しています。 再手術が74例と多いです。 弁膜症、大血管、バイパス手術、その他(移植など)、まんべんなくバランス良く経験していることがわかります。 それにしても半年間に250例以上の心臓手術を執刀させるレジデントプログラムなんて、日本では考えられません。 #
by ctsurgeon
| 2006-12-13 04:42
前回投稿のおまけです。
中華街で食事したのですが、葬儀屋さんの隣で仏様グッズが売られてました。 お棺に一緒に入れるものだと思います。 ちょっと面白かったので写真のせます。 あの世に行っても麻雀は必須ですね。でも何で中華料理ではなくて寿司なんでしょうか? 女性用ですね。 あの世でも携帯電話。 「冥府電話」と書いてあります。何故か充電器も付いてます。 #
by ctsurgeon
| 2006-12-11 13:34
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