今日の最高気温マイナス5度。最低気温マイナス10度。
外を歩くのも少し辛くなってきました。 こんな寒い週末は映画館くらいしか行こうという気になりません。 それにしても毎週毎週次から次と新しい映画がリリースされていきます。 日本では気づきませんでしたが、ハリウッドの製作サイクルは本当にすごいです。 この週末はDreamgirlsを観てきました。有名なブロードウェイミュージカルの映画版です。 もうすぐ日本でも封切りされると思いますが、おすすめです。 主役のビヨンセは世の中にこれほどの美人おったんかと思うほどです。 ジェニファーハドソンの歌唱力は主役を完全に圧倒していて、アカデミー助演女優賞間違いなしと言われています。 でも黒人の英語は聴き取るのが難しいです。DVDが出たらまた観たいと思います。 映画館を出たらポケベルがなって、その夜は朝までM君と2人で心臓移植。 日本の医大生の女の子が2人短期研修に来ているので、ドナーチームに同行してもらいました。血流再開して、植えた心臓がゆっくりと動き出したのを見て、 「すっごーい。でも心臓ってかわいいですね。」 僕も本当にそう思います。 「でも心臓移植手術って2人でも出来るんですね。」 日本の大学病院は第2、3助手と術野にたくさん人がいるから、そう思うのも仕方ありません。 ここでは心臓移植手術は全例レジデントケースで、最初に執刀する心臓手術になることもあると説明したら少しビックリしていました。 #
by ctsurgeon
| 2007-02-06 07:37
シニアフェローのM君のお別れパーティーが近くのバーでありました。
とても性格が良くて皆から好かれていたM君。麻酔科のDr, 手術室の看護師さん、PAの人から彼らのBoyfriend, Girlfriendなどなど、50人近くが集まりました。 苦労を共にした仲間が去って行くのは少し寂しい気がしますが、ここで知り合った多くの友達がこれから全米で活躍していくだろうと思うと、楽しみでもあります。 それにしてもアメリカ人はスキンシップが大好きです。 挨拶はハグ&キスなのですが、恥ずかしくてどうしても挙動不審になってしまいます。本当にキスするのではなく、ほっぺたを合わせてチュっと音を鳴らすだけだということを最近知りました。でも本当にキスしてくる人もいるし。正式にはどうなんでしょうか。 #
by ctsurgeon
| 2007-02-04 11:30
以前(7/27/06)少し触れましたが、ここ数年左室補助人工心臓(LVAD)の話題が多くなってきています。
もともと主に心臓移植までの短期間のつなぎ(Bridge to Transplantation)として数多く使われて来たLVADですが(2005年の1年間で600例以上)、性能の向上とともに長期間の使用に耐えうることがわかってきました。 それでは「心臓移植できない人に永久使用できないか」ということで1998年始められたランダマイズスタディが有名なREMATCHトライアルというものです。 重症心不全患者を内科治療群とLVAD治療群に分けてその成績を比べたら、LVADを入れたほうが生存率でもQOLの面でも優れている事がわかり、FDAは心臓移植非適応患者に対するLVADの永久使用(Destination Therapy)を2002年認可しました。 しかし、これまでは拍動型ポンプといってポンプ本体内にある板を上下することによって、血液を押し出すタイプが主流でしたが、サイズが大きくて小さな体型の人に埋め込むには無理があること、耐久性にまだ問題があること、出血や感染といった合併症の問題が解決されていないことから、積極的に永久使用目的に入れる施設はあまりありませんでした。 ところが、以前紹介したような軸流ポンプ、遠心ポンプという超小型定常流ポンプが最近登場しました。小さいだけでなく、パイロットスタディでは手術の合併症や耐久性は拍動流ポンプより良さそうです。この次世代定常流ポンプの長期成績を調べるPhase 2臨床スタディがすでに始まっています。 また拡張型心筋症の人にLVADを付けて心臓を休ませてあげると、数ヶ月後に心機能が回復してLVADから離脱できる人がたまにいるのですが、生理的な心筋肥大を促す薬を投与することによって、70%以上の患者さんが離脱できたという報告が最近されました(NEJM 2006;355:1873)。それまではせいぜい20%くらいだったので、かなり画期的な報告です。薬だけでなく遺伝子導入や細胞移植なども試みられています。 全米で心不全患者は500万人。毎年30万人が亡くなり、それに対する医療費も300億ドルにのぼるそうです。心臓移植は年間たった2000例。この巨大なマーケットに各医療機器会社が必死になるのも無理はないかもしれません。今後さらに高性能なポンプが出て来たら、人工心臓を付けて歩いている人をしばしば街で見かける(外からはわかりませんが)日が来るかもしれません。 左が従来の拍動型LVAD。右が軸流型LVAD。 サイズの違いが良くわかります。 こんな感じで体内に埋め込まれています。体外に出ているのは電源コードのみ。ベルトみたいなのがコントローラー。両脇につけているのが電池です。実際多くの人がこの形で退院して日常生活を送っています。 #
by ctsurgeon
| 2007-02-01 08:16
症例数の多い所で働く利点の一つに、めったに起こらない事を経験できるということがあります。
術後合併症でも0.1%の確率で起こる様なことでも、単純計算なら年間100例の病院なら10年に1回ですが、1000例の病院なら年に1回起こることになります。 緊急時の対応では、そういう事態を1度でも経験しているかどうか、ということが非常に重要になってくるので、手術経験数にも増して大切なことではと思います。 2年くらい前ですが、典型的な欧米肥満体型の人の予定バイパス術で、麻酔の導入でいきなり心停止になった事がありました。電気ショックでも戻らず。 一刻も早く人工心肺にのせないとアウトです。 こういう事態(消毒なし、電気メスや吸引なし、メスとハサミのみ)で、とにかく胸骨正中切開をしてダイレクトに心臓にカニュレーションして人工心肺にのせるのと、マッサージしながらソケイ部を開いて大腿動静脈から人工心肺にのせるのと、どっちがいいのか、後のカンファレンスで議論になりました。(先日の冠動脈異常の子は胸骨正中切開しましたけど) この症例の場合、脂肪が多くて電気メスも吸引もない状態での胸骨正中切開は難しそうだったので、アシスタントに心臓マッサージを続けさせながら、大腿部を切開して人工心肺にのせる事が出来、結局患者さんは元気に退院しました。 でもその後のカンファレンスでは、多くのアテンディングは「いかなる状況でも緊急時は胸骨正中切開をして、ダイレクトに心臓マッサージをしながらポンプにのせるべきだ」という意見が大半でした。それに対するレジデントの意見は様々。 年寄りで大腿動脈の性状が悪い人にあせってカニュレーションすると、解離を起こすリスクは確かにあるし、一刻も早く胸骨正中切開をしてdistendした心臓を露出してダイレクトにマッサージしてやるのが良いという気もします。 一方肥満体型の人の緊急胸骨正中切開は簡単ではなく、消毒もままならないまま開胸するよりも、大腿から人工心肺にのせて安定してからちゃんと消毒して胸開ける方が良いような気もします。大腿を開けている間、別の人が継続的に心臓マッサージできるし。 どちらが良いのか今でも良くわかりません。 #
by ctsurgeon
| 2007-01-30 14:27
7月からイラク派遣が決まったM君。隣でインターネットのオンラインサイトを一生懸命見ています。
覗いてみると、武器ショップのサイトです。 M君は軍から支給される分では足らないと聞いて、予備の弾倉とホルスター、GPSを購入するみたいです。「向こうでは銃を持っていなかったら、トイレにも行けない」そうです。 驚いたのはそのオンラインショップの充実ぶり。 ライフルからピストルまで何でもオンラインで注文できます。 安いのは200ドルくらいから、マグナムでも400ドルくらいで買えちゃいます。 amazon.comでCD買うのと大差ない感じです。 「そんなんでちゃんとヒストリーチェックはできるの?」と聞いたら、 ’supposed to..., but ' という頼りない返事です。 そういえば同僚の奥さんも357マグナムを持っているそうです。 美人ですが気の強そうな奥さんです。 彼はあまり女性癖が良くなく、「浮気したら、一発で撃ち殺されるで」と周りからささやかれています。 本人はあまり自覚していないようですが。。 #
by ctsurgeon
| 2007-01-29 05:22
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