3月に来年度の胸部外科レジデントのインタビューがありましたが、その後数回医局カンファレンスでセレクション会議があって、随分絞り込まれてきました。
書類選考を勝ち抜いて面接に呼ばれただけあって、各候補者の経歴はそれぞれ申し分ありません。 そこで重要になってくるのは、やはり人柄です。 インタビューの時の印象を皆で話し合いますが、正直で協調性があって仕事に熱意を持っているか、という当たり前の事がやはり重要になります。 明るく社交的であるという事も大切です。 それを知る為に推薦状などはやはり重要になってくるし、一般外科レジデントをしている候補者の上司や知り合いに連絡を取って、聞いてみる事もあります。 外科医としての臨床能力も書類ではわからないので、人づてに意見を聞いたりします。手術を含めてレジデントの臨床上の裁量権が大きく、施設の手術成績にも影響してくるだけに、その辺は真剣に議論されます。 パーソナルステートメント(自己アピール文)も結構重要かもしれません。 何故心臓外科(胸部外科)を志したか、何故うちの施設で働きたいかという事を、皆その辺の作家顔負けのクサい文章を書き連ねています。 やはりこちらの人はアメリカンドリーム的なサクセスストーリーが好きなので、その辺をうまくくすぐると得点が高いです。 レバノンから来た女医のMさんも、戦火のレバノンからアメリカに単身やって来て、アメリカンドリームをつかむ為に苦労して頑張って来たみたいなことを感動的な文章にしていましたが、そのパーソナルステートメントと、美容院でセットしたままのような派手な顔写真で採用が決まったようなものです(こんな事言ったら本人は怒るでしょうが。。) 日本人には苦手な分野ですが、こちらでは自分をいかに高く売るかというのは、非常に重要な能力の一つなので、少しくらいハッタリをかましてもOKのようです。 あと、second visitといって、インタビュー後にその施設を個人的に訪問して、皆に印象づけるのは非常に得点が高いです。 僕らの世代では卒業後大学の医局にストレート入局し、医局長の言われるままに(時には研修医同士でジャンケンして)関連病院を点々と渡り歩くのが一般的で、就職活動らしき事は経験したことがなかったのですが、日本でも新しい臨床研修制度が始まってからは、このような事が行われているのでしょうね? 突然病院の渡り廊下に大きな垂れ幕が。 いったい何が起こっているというんでしょうか?
by ctsurgeon
| 2007-05-20 12:48
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