Avenue Q

e0088460_932237.jpg今日は病棟も落ち着いているようだったので、昼からブロードウェイミュージカルを観に行ってきました。

2004年にトニー賞を取った"Avenue Q"というミュージカルです。
セサミストリートのように人形(パペット)を使ったミュージカルですが、役者と人形が一体化していて、とても面白かったです。

内容はNYの下町のアパートにすんでいる様々な人達の模様を描いているのですが、ゲイ、人種差別、宗教、失業、ホームレス、ポルノなどの現代のアメリカの社会問題をブラックユーモアたっぷりに演じていて、最初から皆大爆笑です。
曲は「君がゲイだったら」「誰でも少しだけ人種差別者」「インターネットはポルノのために」「他人の不幸は蜜の味」とか、内容は強烈なのですが、可愛らしい人形を使って明るく歌い上げられると、思わず笑ってしまいます。

コミカルな中にも最後の曲「For Now」のように「人生良いときも悪い時も決していつまでも続くわけじゃないんだから、腐らずに何とかやっていこう」というメッセージが込められていて、元気を与えられた気がしました。トニー賞を取ったのも納得できます。
でもその曲の途中で「George Bush!」という歌詞が入った時には観客は一番盛り上がったような気がします。
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# by ctsurgeon | 2007-03-26 09:05
Tommy Emmanuel

e0088460_22502494.jpgBabies' HeartsのYasuさんから教えてもらいました。

一発ではまってしまいました。格好良すぎ。
あれからYouTubeやiTunesで聴きまくっています。

高校時代はエレキギターをしていたのですが、20年近く遠ざかっています。
これを聴いてまたギター(アコースティック)が欲しくなりました。

Angelina-1 Angelina-2
Guitar Boogie
Amazing Grace
Somewhere Over the Rainbow
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# by ctsurgeon | 2007-03-25 22:57
チーフフェロー代理2週目
やっとチーフフェロー代理2週目が終了しました。
好きな手術を選んでできるのは良いけど、2週間で十分です。疲れました。
弱点の大血管手術を集中的に出来たので、まあよかったです。
今週した症例は

月曜日
 CABG x4
 OPCAB x1 (RIMA)
火曜日
 Reop. LVAD explant (HeartMate I) / Heart transplant
 Reop. MV repair (Right thoracotomy, Beating heart)
水曜日
 Reop. CABG x2 (free RIMA)
 OPCAB x4 (BIMAs)
木曜日
 Ao root replacement
 Ao root replacement + MV repair
金曜日
 Type A dissection (Ao root replacement + MV repair + CABG x1 : LIMA)

金曜日の症例は87才の大動脈解離。破裂寸前でした。冠動脈まで完全に解離していたので大動脈基部置換をしたのですが、組織がもろくて冠動脈ボタンの再建をしたり大変な手術でした。気合いで出血止めて、術後経過は今の所非常に順調です。僧帽弁は大動脈弁輪からBow-tie stitch (Alfieri stitch)をかけたのですが、簡単で良い方法だと思います。
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# by ctsurgeon | 2007-03-24 11:22
誕生日プレゼント
実は先週誕生日だったのですが、偶然朝エレベーターで一緒になったタレントドクターのO先生に「今週誕生日やったな。何がほしい?」
といきなり聞かれました。

ここ10年くらい誕生日プレゼントなんてもらったこともないので、おもわず
「へ?」と聞き返したら、
「靴? 服? いつもどこで服買ってるの? 好きなブランドは?」
と立て続けに聞いてきます。
「TJ MAX (アメリカのどこにでもあるディスカウントメガストア)やけど」
と言ったら、
「そんなんあかん。スーツをプレゼントしよう。ゼニアとかアルマーニは好き?」
と聞いてきます。
「え、まあ。でも高いし」
といっているうちにエレベーターがついて、彼はオフィスに消えて行きました。

クリスマスにレジデント全員にアテンディングからプレゼントが贈られる事はありますが、個人的にいきなりプレゼントをくれるなんて。。ホモでもないだろうし、本気なんかなと思っていたら、次の日、僕が手術している時ににいきなり手術室に入って来て、後ろから術衣の下に手を入れて右のお尻をまさぐって来ます。
「えー」と思っていたら、
「これで好きなスーツを買いなさい。上等のスーツ買わなあかんで。」と、スクラブのお尻のポケットに彼のクレジットカードをねじ込んで出て行ってしまいました。

彼と一緒に手術する機会が多く、まあ可愛がってくれているとは思うのですが、いきなりクレジットカードを渡されても、どれくらい使ったらいいのやら。。
日本人アテンディングのN先生に聞いてみたら、「いつも彼の症例手術して、感謝されてるんちゃう。遠慮せんと5番街でも行って高いスーツ買ってき」と言われたので、早速週末に行ってきました。しかしアルマーニのスーツ2000ドル。
今乗っている中古のアメ車が4000ドル。ミリオネラーの彼にとったらはした金でしょうが、とても人の金でそんな高いスーツ買う気になりません。といっても安物買ったらかえって失礼になるような気もするし。。結局アウトレットにいって、それなりのスーツをそれなりの値段で買ってきました。

Dr.Oはどんな難しい症例でも必ず手術を執刀させてくれるし、手術も良く教えてくれます。超有名なスーパードクターなのに、フレンドリーで人間的にも素晴らしく、彼から学んだ事は計り知れません。こちらの方が感謝してもし足らないくらいなのに、少し恐縮してしまいました。

こちらのアテンディングは自分が前立ちをして手術が終わると、執刀しているレジデントに「Good job, thank you for your help」と言ってきます。
日本ならレジデントに手術「させてやる」のが普通で、手術「させてもらった」レジデントの方から「ありがとうございました」と礼を言うものです。

日米の考え方の違いでしょうか。

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# by ctsurgeon | 2007-03-19 09:43
レジデントインタビュー
来年度の胸部心臓外科レジデントの面接が今日ありました。

全国から17人の希望者が集まりました。
近年の心臓外科の人気凋落はすさまじく、130あるレジデントポジションのうち昨年は7割くらいしか埋まらなかったのですが、さらに今年は全米で希望者が60人以下らしいです。
完全な売り手市場なのですが、さすがにNYの有名プログラムだけあってうちの施設には50人近くが応募してきました。最終的に採用されるのは2人です。

簡単な朝食を皆で取った後、プログラムの説明。その後は各候補者が数人のアテンディングの部屋で個別面接を受けます。昼食後は病院内を案内して解散です。
日本の面接のような堅苦しい雰囲気はなく、また候補者同士も色んな病院の面接で顔見知りになっていることもあり、お互い情報交換したりして和やかな雰囲気です。
やはりうちの施設はレジデントが執刀する手術数、内容、手術室でのレジデントの裁量範囲、PAなどのコメディカルのサポートの面において、かなり魅力的なようです。それとNYという場所も人気の理由の一つでしょう。
彼らはこの時期全米の施設の面接に回り、最終的に希望施設をリストアップします。病院側も採用順位をリストアップして、後日マッチングが行なわれます。

Medical schoolを卒業した後に、一般外科レジデント、心臓外科レジデント、その後のアテングィングの職探し。医局人事などなく、常に競争に揉まれる彼らはやはり大変だなと思いました。
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# by ctsurgeon | 2007-03-18 12:47
チーフフェロー1週目
やっと1週間が終わりました。
今週した手術です。だいたい一般的なアメリカのチーフフェローの症例です。

手術以外のdutyとしては月曜日の朝7時から合併症カンファ、水曜日の朝7時15分から心臓外科内科合同カンファ、木曜日の朝7時半から胸部心臓外科グラウンドラウンド、金曜日の朝7時から心臓移植カンファがあり、必要に応じてプレゼンテーションしないといけないので、その準備があります。
あと、院内コンサルトや緊急手術の手配など。今週は緊急が3例(心臓移植2例、カテラボでクラッシュしたAMIに対するCABG+BIVAD)でした。

これだけやっても毎日家に帰れるのは(金曜日は帰れませんでしたが)、やはりコメディカルやICU、フロアでのバックアップ体制が充実しているからだと思います。
(ICUには麻酔科の専属チームが、一般病棟の患者はPA(15人います)が完全にカバーしています)

月曜日
 MVR + Septal myectomy
 Replacement of Asc Ao. Aneurysm
火曜日
 MVR + TVr + Maze
 AVR + CABG x2
水曜日
 Reop. AVR + CABG x2
 AVR
 AVR + CABG x1
木曜日
 MIDCAB (LIMA-LAD)
 Miniimally invasive MV repair
金曜日
 Aortic root replacement (Bentall)
 Reop. heart transplant (s/p AVR/MVR)

1例80才代の患者さんで、術中に危ない目に会いました。
人工心肺終了後大動脈のカニュラを抜いてPAがパースストリングの糸を縛ったら、いとも簡単に組織がちぎれて糸が抜けてしまいました。もう1本外側にも糸をかけているので、今度は自分がそれを縛ったらそれも抜けてしまいあっというまに大出血になってしまいました。最初は指で穴を塞いで出血をコントロールできていたのですが、徐々に穴が広がっていきコントロール不能に。片手は出血をコントロールして動かせない状況で、どんどん血圧が下がって行きます。幸いアテンディングのA先生がたまたま部屋に入って来たので、すぐにソケイ部を開けもらって大腿から人工心肺にのせ、少し冷やして3分間だけ循環停止。超特急でリペアして事なきを得ました。人工心肺に載せたときは指が完全に大動脈の中に入っている状態で、血圧も30くらいになっていたので、術後の脳障害を心配しましたが、事なきを得ました。久しぶりに冷や汗かきました。人工心肺にのせるのがあと5分遅れたら、どうなっていたかわかりません。
 反省点としては2本目の糸を縛る時に下大静脈を一時的にクランプして血圧を50くらいに落した方が良かったかもしれません。良いpurse string sutureだったので、まさか大動脈壁がそんなに脆くて、2本目もちぎれるとは考えませんでした。
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# by ctsurgeon | 2007-03-18 00:42
チーフフェロー代理途中経過
チーフのM君が2週間留守なので、彼の代理をしています。
毎日2−3例の手術。手術で忙しいのはいいのですが、それ以外のベッド回しなどの鬱陶しい仕事がストレスです。

 昨日は7例の手術が予定されていたのですが、心臓移植(LVAD explant+HTX) が入り、手術室が回らなくなってしまいました。移植手術が手術室1つを占拠するので、予定手術をどれか延期しないといけないのですが、その調整が大変です。朝の6時から各アテンディングに電話しまくって、手術の延期を頼むのですが、皆自分の事しか考えていなくて、我がまま言い放題でウンと言ってくれません。ドナーチームに連絡して臓器摘出を遅らせないか聞いたりしたのですが、他の摘出チームとの兼ね合いもあり無理と。患者を手術室に移すこともできずに麻酔科や看護部から文句も出るし、患者からも文句が出て、そのたびに説明と言い訳に走り回り、、、ホトホト疲れてどうでもいいやと思った時に、手術部婦長から別の手術室が確保できたとの連絡が来て、やっとどの症例もキャンセルすることなく8例することができました。
 問題は人がいないこと。1例はアテンディングに頼み込んでPAとしてもらいました。僕自身はValve sparing aortic root (David)+MVrepairを執刀する予定で張り切っていたのですが、タレントドクターのDr. Oが朝からGood Morning Americaとかいうテレビに出演して病院にいないので彼の症例(reop.AVR+CABG2)をカバーしなくてはならなくなり、泣く泣くその症例をA君に譲りました。
 2例目のAVRを終了する頃に、別のアテンディングからクレームが。となりで彼の症例(AVR+CABG)を始めたフェローのM君がIMAを取るのがあまりにも遅くて何とかしてくれとのこと。その時点で夜の7時。彼はそのフェローに「この症例を君がするのはいいけど、残念ながら執刀はさせられない。当直でもないのに第一助手をするために君を引き止めるのは悪いので、ctsurgeon君に交代してもらってはどうか。しかし彼はまだ2例目のAVRを終了していないので、帰宅する前に彼の症例の閉胸してくれない?」と言ったそうです。M君は憤慨したのですが、仕方ありません。彼に謝りながらも胸が開いたままの患者を後にして隣の部屋に移動。アンギオも見ていない患者の手術を引き続きすることになりました。
 それにしても執刀できないとわかって(彼はまだAVR未経験です)憤慨するレジデント、日本では考えられないですよね。
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# by ctsurgeon | 2007-03-16 13:18
Last Ski
やっと寒さも和らぎ、春の気配です。
車で1時間の所にある、行きつけの小さなスキー場に行ってきました。
多分今シーズンの滑り納めです。
いつもはガラガラなんですが、ちょうどイベントがあって、結構賑わっていました。
水溜まりの上を滑走するコンテストなどもやっていて、盛り上がっています。
下の人達(3人で1つのスキーを履いています)は無事成功したと思いますか?

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# by ctsurgeon | 2007-03-12 12:19
補助人工心臓の功罪
3ヶ月前に補助人工心臓(LVAD)を入れた患者さんがいました。
術後重篤なポンプ感染を繰り返し、あらゆる治療を施しましたが、心臓移植やポンプ交換も含めてこれ以上の治療は不可能という結論になりました。

本来なら生存が全く不可能なほどの重篤な状態でも、人工心臓を入れれば患者さんの生命をつなぎ止める事が可能になり、多くの患者さんがその恩恵に預かっています。
しかし逆に言えば人間の尊厳を貶めるようなmiserableな状態になっても、なお人工心臓によって生かされ続けるという皮肉な状況になることもあります。
人工心臓を入れる事によって、患者さんに出口の無い苦しみを与えることにもなりかねません。

この様な事を避ける為に、人工心臓の手術適応は慎重に吟味されます。
手術するからには明確な目的があり(心臓移植までのつなぎか、永久使用か、心機能の回復を目指すのか)、不幸にもその本来の目的を達成出来ないとわかった時、人工心臓をはずす事もあります、という文面に患者さんは手術前に署名しています。

この患者さんについては、医学的に回復できる可能性がないと判断された時から、人工心臓を止める事に対する議論が何度も繰り返されてきました。
精神科医やEthicsの人たちも入り、家族や本人ともに今後の治療について話し合いがされてきましたが、今日患者さん本人に説明して同意を得た後に、人工心臓のスイッチが切られ、ほどなく患者さんは亡くなられました。
スイッチを切れば確実に自分は死ぬということがわかってながら同意した患者さんの気持ちを考えると、非常に重く悲しい気持ちになります。

高度先端医療が抱える矛盾の一端を見たような気がします。
医者がこんな事を言っていいのかわかりませんが、人間は自然に死ねるのが一番だと思います。
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# by ctsurgeon | 2007-03-10 13:40
強化週間
NYはこの1週間いきなり真冬に戻ったかの様な寒さです。
体感気温マイナス15度とか。いったいどうなってるんでしょうか。

今週は手術が少なく比較的穏やかな週です。
教授は先月スキー休暇をとったばかりなのに、今週も1週間のスキー休暇です。
50台半ばなのに、本当に鍛えられたいい体してます。
Babies' Heartsにもありましたが、アメリカの心臓外科医のスタッフはカッコイイ人が多いような気がします。
うちの施設でも教授、チェアマンともに風格があって、カッコいいです。タレントドクターのDr. OはPeopleという人気雑誌の年間セクシー男性50人に選ばれたくらいですし。
仕事も生活も満たされているからでしょうか。。

うって変わって来週から2週間は強化週間です。
イラクに派遣が決まっているチーフフェローのM君が派遣前のミリタリートレーニングの為に2週間留守にするため、僕が代理する事になってしまいました。今更わざわざしんどい思いするのもなあ、という気もするのですが、2週間くらいならチーフの生活を味わってみるのも悪くないかもしれません。好きな手術を自由に選べるし。。さっそく仲良しアテンディングのA先生にはAortic Rootの症例を集めるように頼んでおきました。

またチーフフェロー代理の生活を報告したいと思います。
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# by ctsurgeon | 2007-03-09 11:49