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無題
最近便利屋状態で少し忙しいです。

昨日は自分の手術が終わった後に、教授の手術(AVR+CABGx3: チーフレジデントが執刀)で他の手術を掛け持ちしている教授の替わりに前立ち、引き続き他のアテンディングの手術(AVR: サブチーフのM君が執刀)で替わりの前立ち。

今日も自分の手術が終わって帰ろうと思ったら夜の11時から心臓移植との連絡。当番のアテンディングの替わりに手術に入ることに。少し時間があったので一旦病院を出てスケート教室に行ってる息子(7才)に迎えに行って、回転寿司で夕食をとった後病院に直行。後輩のフェローと2人で手術。末期心不全で心臓は子供の頭くらいあって、肺動脈圧はほぼ体血圧と同じ。再手術例で結構癒着していたけど手術は順調に3時間半で終了し朝の4時に帰ってきました。夜中の緊急手術は何か独特のまったりとした雰囲気があって、相棒の持ってきたiPodから流れるレゲエを聞きながら、馬鹿話をしながら手術してました。

この週末も移植のオンコール。何事もありませんように。
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by ctsurgeon | 2006-10-14 17:45
Dr. Tirone David
心臓外科の世界では知らぬ人はいない、世界のゴッドハンドと言われているDr. Tirone Davidと食事する機会がありました。数々の手術を開発し、彼の名の付いた手術は教科書でも良く見ます。世界で一番うまい心臓外科医らしいです(一度見てみたいです)。

毎週木曜日に行なわれる心臓外科カンファレンスに招待してレクチャーしてもらったのですが、前の晩に心臓外科スタッフと一緒にディナーになりました。
といってもたった6人。
AATS(アメリカ胸部外科学会)などで遠くから眺めるだけの天上人が目の前に座っていて、最初は緊張したのですが、非常にフランクな人で、David手術のピットフォールなど色々と教えてくもらいました。
翌朝の大動脈弁形成のレクチャーも非常に興味深いものでした。

彼の話を聞いてると、外科医というよりアーティストという気がします。
彼は確かブラジル人。(バチスタもそう)
ラテン系の心臓外科医は、彼のような天才肌タイプがたまにいるような気がします。
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by ctsurgeon | 2006-10-14 17:31
手術の作法
最近投稿が滞っています。

ジュニアフェローのMさんが、3ヶ月の成人心臓外科ローテを終えて小児心臓外科に移りました。代わりに2年目のM君がサブチーフとして合流し、少し楽になりました。
結局Mさんは3ヶ月で独り立ちすることができなかったため、僕に回ってくる症例が全く減らず結構へとへとになっていたので、ホッとしました。

うちの施設はアテンディングサージャンは心臓が止まっている間しかいないので、研修を開始してすぐのジュニアフェローでも1か月くらいしたら一人で開胸、人工心肺離脱、閉胸できることを求められます。彼女はそこまで到達できなかったのですが、自分でもそれが気になるらしく少し落ち込んでいました。

チーフフェローのA君も少し心配していて、彼を交えてMさんと話をしました。彼も技術的なことよりも、前回のブログ書いた様に「人の手術を見て真似ようとしない」という意識の問題だと言っていました。

心臓手術には色々ありますが、心臓を止めている間以外(開胸、人工心肺装脱着、閉胸)の手技は基本的に同じです。その手順を覚えることから始まるのですが、その一つ一つのステップはいわば手術のお作法のようなもので、常に一緒です。運針の仕方から始まって覆い布の掛け方のようなつまらない事までいつも同じ様にすること、ルーティーンを守るということは、いざ心臓を止めて手術に集中するための儀式のようなもので、結構重要であることが僕も最近わかったのですが、彼女はそれをあまり理解していないみたいでした。

前立ちをするのは、多分自動車教習所の助手席に座っている教官みたいなもので、運転している生徒本人はわかっているつもりでいても自分と違うやり方、タイミングで運転(手術)されると見ている方は不安になります。特に心臓手術はささいな事で大事故になるので、例えば大動脈に人工心肺の管を入れる(カニュレーション)の時にメスの角度が自分が見せた通りにしてなかったりすると、「ちょっと待った!!」という事になります。止血の手順なども自分と違う順番でされると、見ていてとても気持ち悪くなります。

彼女のいい分は「アテンディングによってやり方が違うので混乱する」「こちらの方が自分にはやりやすい」ということでしたが、そういう理屈抜きに各アテンディングの一見つまらないこだわりを理解し、彼らの作法を完全に真似できるようにしないと手術は回ってこないよと言う事をA君と2人で言い聞かせて彼女も納得したようです。

来年サブチーフとして帰ってくる時はどうなっているでしょうか。
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by ctsurgeon | 2006-10-07 09:02