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日本から
先週末から1週間日本に帰国しています。

ひたすら暑いです。
何か逃げ場のないような暑さ。。
真夏に帰るのは久しぶりだけど、こんなに暑かったかなあ。

不思議なのは、空港に着いて10分もすると日本にいる自分にすぐ馴染んでしまって、アメリカでの生活が幻のように思えること。アメリカに戻るとまた逆の気持ちになるんでしょうけど。


日曜日の晩にアメリカにもどります。月曜日から普段どおり仕事。
手術忘れてないか少し心配です。
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by ctsurgeon | 2006-08-26 09:43
心臓移植
日曜日は病院当直。
格好のタイミングで心臓移植手術がはいりました。

補助人工心臓が入っており、かなり癒着がひどかったけど、夜中の2時すぎに始まった手術は順調に朝8時前に終了。さすがに疲れて一眠りして昼過ぎにICUに行ったらもう抜管されてました。数ヶ月前に急性心筋梗塞で倒れ、緊急バイパス手術、人工心臓装着手術を受け合併症を乗り越えて、やっと心臓移植にたどり着いた患者さんは本当に嬉しそうです。

劇的に患者さんがに良くなってくれる移植手術は医者から見ればやりがいのある治療ですが、手術自体も僕は割と好きです。
成人心臓外科では動脈硬化でボロボロになった血管を縫う事が多く、針をかけてもかけても組織が裂けて出血が止まらず泣きそうになることがあるのですが、移植手術は心臓が若くて組織が良いので止血がしやすく、あまりナーバスにならずにせっせと楽しく縫うことができます。
心不全でボロボロになった心臓に代わって、新しく植えた美しい心臓が元気に動いているのを見ると、思わずなでてやりたくなります。

ドナーの事についても書きたい事はあるのですが、それはまたの機会に。
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by ctsurgeon | 2006-08-15 08:23
飛行機雲
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週末の昼、空を見ると白い文字が。。
よーく見ると5機の飛行機が編隊を組んで、上手に飛行機雲を出しながら文字を作っています。
惚れ惚れするくらいのチームワークの良さです。
アメリカならではの宣伝方法です。
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by ctsurgeon | 2006-08-13 07:29
再開胸手術
昨日の手術は6年前にフリースタイル大動脈弁という生体弁を入れた人に対する、大動脈基部置換(ホモグラフト)+三尖弁形成術+冠動脈バイパス術というもの。
患者さんは250ポンドの巨漢(女です)。ただでさえ萎えそうな症例なのに、困った事に三尖弁の逆流の為に右心房、右心室が巨大化してレントゲン見たら胸骨にべったり張り付いてるみたい。(CTがないので細かくはわからない)。中心静脈圧(右心房の圧)は35 mmHgと通常の3倍以上。胸開ける時に心臓に穴開けて修羅場になる可能性が高いこのような症例は安全の為に大腿から人工心肺の管を入れて人工心肺にのせてから開ける事もあるんだけど、下大静脈に血栓予防フィルターがはいっているので、それもならず。というか、巨大な腹がソケイ部までのしかかっているので、とてもそこを開ける気にもなれず。前立ちは学生上がりの若いPAの女の子。
いままで再開胸は何十例もやってきたけど、こればかりは嫌な予感がして、アテンディングにヘルプコールするも「Try it!」と、つれない返事。
おっかなびっくり、胸をのこぎりで開けたら、皮一枚でセーフでした。
しかし、こういうRescue planのない手術はあまりしたくないです。
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by ctsurgeon | 2006-08-10 07:53
PA
インターンによる病棟業務(特に週末)が問題になっていましたが、その解決案として週末の日中はインターンに加えてPA (Physician Assistant)が病棟を見てくれる事になりました。

このPAというのは、「医師の指導の元に医療行為を行なう医療アシスタント」で、4年の大学、3年のPA schoolを出たスペシャリストです。基本的には全ての医療行為をすることができ、日本の若手医師がしているような仕事は彼らがしてくれます。術前術後管理、病棟業務、手術の助手など。検査のオーダーを出したり、薬を処方したり、術後のドレーンを抜いたり、または入れたり、、、そういった面倒くさい事は全て彼らがしてくれるので、本当に助かります。
Private hospitalではPAと2人で心臓手術をすることが多いので、彼らが開胸、内胸動脈採取などもしている所もあるそうです。

うちの病院には成人心臓外科部門だけで15人くらいのPAがいます。給料も日本の勤務医よりずっと良いくらいです。
4年制大学を出てさらに3年専門学校に行ってとなると、Medical schoolの4年とあまり大差ないので、もう少し頑張ってDoctorになったらと老婆心で思ってしまうのですが、彼らに言わせれば心臓外科医の場合Medical Schoolを卒業しても、一人前の外科医として手術してまともな給料をもらうまでには、5年(一般外科レジデント)+3年(心臓外科フェロー)+1−2年(リサーチ)の10年近くかかってしまう訳で、そんな苦労して訴訟リスクが高く時間的にも拘束される外科医をするより、ライフスタイル、やりがい、給料が程よく混ざったPAの仕事というのは、やはり魅力的みたいです。
もっとも日本では心臓外科医といっても手術できる人は一握りで、ほとんどはPA、時にはナースのような仕事をしており、手術もできずに術後管理ばかり、おまけに安月給の状況にフラストレーションをためている日本の若手外科医よりはずっとハッピーな環境かもしれません。

日本でも若手外科医の激務が問題になり、PAシステムを採用しようとする動きもあるそうですが、高額医療のアメリカだから可能なシステム。安い医療費をさらに抑制しようとする日本ではやはり不可能でしょう。
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by ctsurgeon | 2006-08-06 07:26
カテーテル治療
狭心症などの冠動脈疾患の治療は薬剤溶出性ステントの出現で、ますます心臓外科医の出番が少なくなってきています。

弁膜症疾患も今までは心臓手術によって悪くなった弁を取り替えていたのですが、最近Percutaneous aortic valve replacement (経皮的大動脈弁置換術)というのが始められ、うちの病院でもそのトライアルが行われています。人工弁(生体弁)をたたんで、カテーテルの先に仕込み、足の動脈から大動脈に入れて心臓まで持って行き、膨らませて留置するというもの。
普段石化化してカチカチになった患者さんの弁を見ている者からみたら、そこに無理矢理カテーテルで弁をねじ込むなんて、そんな恐ろしいことと思ってしまうのですが、内科の先生は勇気があるというか、すごい事にチャレンジします。
最初の数例は散々で、留置したはずの弁が外れてしまったり、カテーテル(人工弁仕込むくらいだから太いです)が抜けなくなって、足の動脈も引き抜いてしまったり、、、それでもめげずに続けて、最近は安定した成績を出しているみたいです。
大動脈弁だけでなく、僧帽弁のカテーテル治療も始まっています。
心臓外科医の出番が今後ますます少なくなっていきそうです。

そういえば先日暇だったので、カテーテール室にその治療を見学に行ったら、PCI(冠動脈疾患に対するカテーテル治療)の指導に来られている日本人の心臓内科Drに会いました。完全につまってしまった冠動脈(CTO)病変に対して冠動脈ステントを入れる技術の指導に来ているとのこと。その時も途中で他のカテ室からワイヤーが通せないとhelpの要請があったのですが、ものの5分で成功、周りからは救世主のように見られていました。
色んなワイヤーを駆使して細い冠動脈にステントを入れるのは、細々としたことが得意な日本人の性分にあっているのでしょうが、実際アメリカの一流施設で日本人がvisiting professorとして彼らを指導している姿を見て、日本の心臓内科(外科ではありません)のレベルの高さを改めて思い知りました。
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by ctsurgeon | 2006-08-04 06:18