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アレストコール
昨晩も当直。まことにpainfulな当直だった。
夜中の3時にほぼ同時に2人の患者のアレストコール(心肺停止の緊急コール)。

急変患者が出た場合、全館放送がかかる
"Arrest stat, arrest stat OOO"といった具合。
面白いのはどこからともなく大勢の医者が一瞬で集まること。

多くは内科麻酔科などのオンコールレジデントであるが、救命セットをもって一瞬にして10人近く集まる。ACLSのプロトコールにそって、手際よくやってくれるので、日本みたいに主治医が一人で全部する必要はない。一応フェローは当直医の中では一番上の立場で、彼らをスーパーバイズするのが役目なので、あまり出しゃばって全部してしまわないほうが良いのだろう。もっとも緊急開胸が必要な時やルート取りに手間取っているときなどは、自分も中に入っていくが。

また日本と違うのは緊急時でも役割分担がはっきりしており、挿管は麻酔科医が、呼吸のバッグ押しは呼吸療法士が、心マッサージはレジデントやインターンが、緊急開胸は外科医が、といった具合である。よほど人手が足らない時以外はお互いの領域を侵すことはない。

幸い2人ともリカバーした。
週末はフリーなので、ゆっくりできる。
オンコールでない限り休日や夜間に呼ばれることは、まず無い。
日本と違いon, offのメリハリがはっきりしているという点では非常にありがたいシステムである。
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by ctsurgeon | 2005-10-09 09:59
清潔
大リーグもポストシーズンに入った。
Ope場でも何かあるとその話題。

あるアテンディング(指導医)は大のヤンキースファン。Ope場でつける帽子はいつもヤンキースハットである(日本と違って、Ope場での帽子、靴は皆自分で好きな物をつけている)。人工心肺技師に猛烈なレッドソックスファンがいて彼もレッドソックスハットをつけているが、彼らがたまたま一緒の手術になると結構おもしろい。というかうるさくて、なかなか手術が進まない時もある。

Ope場でのマイハット、マイシューズに限らず、清潔に関しては日本と比べて随分いい加減である。

手洗いは、日本で習ったようにブラッシング3回、一回1分以上というのは、こちらではありえない。最近はブラッシング不要のローションタイプがはやりで、30秒くらいで済ましてしまう。

日本ではICUに入るのにはガウン、帽子、マスク着用の所が多いが、そんなものもない。移植患者も他の患者と一緒で特別の配慮なし。ICUの移植患者の前でナースがバイタルチェックしながら持ち込んだリンゴとコーヒーをすすっている状況は日本では考えられないだろう。

術衣(スクラブ)にしてもそう。日本では手術場に入るたびに着替えていたが、そんなの関係なし。楽なので一日中着ている。そのまま地下鉄に乗って家に帰ったりするレジデントも多い。

だからといって、アメリカで院内感染が多いという事もないので、日本が不必要に厳しすぎるだけかもしれない。
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by ctsurgeon | 2005-10-08 02:46
医療保険
当直時に手を焼いた患者さんは、翌日体内埋め込み式の補助人工心臓に付け替え、順調に行っている。胸が開いたままなので、今日閉じる予定。うまくいけば、このまま心臓移植待機となるが、問題は無保険ということが判明したこと。治療を中断するわけにもいかず、今後移植も含めて億近くかかるであろう医療費は病院がかぶることになりそう。まあ僕には関係ないけど。

アメリカは日本と違い民間保険なので、持っている保険のレベルで受けられる医療レベルも変ってくる。だから緊急搬送要請があっても、まず保険の事を聞いて受け入れられるかどうか判断する。保険会社が息子の心臓移植治療を拒否したために、父親が病院職員を人質に立てこもるというストーリーの映画があったが、ここでは非現実的な話しではないかもしれない。

誰でもいつでも最先端の治療が受けられる日本の国民健康保険制度(しかも心臓手術は高度医療でほとんど国が援助してくれる)がいかに患者にとって素晴らしいものか、もう少し認識する必要があると思う。
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by ctsurgeon | 2005-10-06 05:12
Bad day
今日は日曜日というのに当直。
朝8時に行けばいいのに、夜中の3時に呼ばれる。
急性心筋梗塞の患者が他院で緊急冠動脈バイパス手術を受けたが、心臓が立ち上がらず補助人工心臓(LVAD)を装着したとのこと。その病院では管理できないのでうちの病院に送りたいとのことで、呼び出されてしまった。

これがケチのつき始め。
無事ICUに到着したものの、出血が続いておりそのままベッドサイドで開胸する。
出血点を見つけ、胸を閉じたものの、まだダラダラ出血が続く。
結局その晩もう一回再開胸するはめになった。
40才とまだ若く、小さな子供が2人いる。奥さんに泣きながらしがみつかれた時には思わずぐっときた。
最終的には移植が必要だろう。

そうこうしているうちに、他の心臓移植が一件。病棟も忙しくボロボロになった。
明日は手術免除してもらう予定なので、早く帰れると思うが、すでに予定手術が8件もあるので、無理かも。

今晩は何事もありませんように。
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by ctsurgeon | 2005-10-03 13:13
はじめまして
皆様はじめまして。

アメリカで心臓外科臨床研修をしている外科医です。
アメリカで働く日本人心臓外科医の日常を気の向くままに綴って行きたいと思います。
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by ctsurgeon | 2005-10-02 11:40