2007年 04月 08日 ( 1 )
ハイブリッド手術
70才後半の男性。
他院で冠動脈バイパス手術+僧帽弁形成術の後に形成術がうまく行かず僧帽弁置換術(MVR)。僧帽弁の人工弁周囲の逆流が判明しその修復術。にもかかわらずさらに人工弁逆流による心不全で入院してきました。肺動脈圧は体動脈圧とほぼ等圧、LVEF 30%。かなりの心不全状態で人工弁は3分の1くらい外れていてブラブラしている状態でした。

4回目の手術。初回バイパス手術のLIMA-LADは開いていて、どうアプローチするか問題になりました。普通に再開胸してLIMAを剥離して通常通り再僧帽弁置換術をする方法もあったのですが、今回は循環器内科と合同でハイブリッド手術をすることになりました。

具体的なプランとしては右開胸、送血は右腋窩動脈。このような場合癒着のために大動脈を遮断するのが難しいのとpatent LIMA-LADがあるので、心臓を動かしたままBeating MVRをする事が多いのですが、今回の症例では大動脈逆流(AI)もあるのでBeating MVRは術野が血だらけになり技術的に困難、しかもParavalvular laekの手術で精度の高い手術が求められる事から何とか心停止下に手術をしようという話になりました。ということで手術は初めてカテ室で行ない、大動脈遮断は大腿動脈からocclusion balloonを使い、LIMA内にカテーテルを留置してバルーンを使ってLADへの血流を遮断し心停止を得る方法を試しましたが、予想以上に上手く行き順調に手術を終える事が出来ました。

大動脈ステントやMIDCAB+ステントなどカテーテルインターベンションとのハイブリッド手術が今後はやってくる可能性があるのですが、今回の症例はまさに循環器内科との合同手術がうまく行った症例でした。
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by ctsurgeon | 2007-04-08 12:38