2007年 03月 18日 ( 2 )
レジデントインタビュー
来年度の胸部心臓外科レジデントの面接が今日ありました。

全国から17人の希望者が集まりました。
近年の心臓外科の人気凋落はすさまじく、130あるレジデントポジションのうち昨年は7割くらいしか埋まらなかったのですが、さらに今年は全米で希望者が60人以下らしいです。
完全な売り手市場なのですが、さすがにNYの有名プログラムだけあってうちの施設には50人近くが応募してきました。最終的に採用されるのは2人です。

簡単な朝食を皆で取った後、プログラムの説明。その後は各候補者が数人のアテンディングの部屋で個別面接を受けます。昼食後は病院内を案内して解散です。
日本の面接のような堅苦しい雰囲気はなく、また候補者同士も色んな病院の面接で顔見知りになっていることもあり、お互い情報交換したりして和やかな雰囲気です。
やはりうちの施設はレジデントが執刀する手術数、内容、手術室でのレジデントの裁量範囲、PAなどのコメディカルのサポートの面において、かなり魅力的なようです。それとNYという場所も人気の理由の一つでしょう。
彼らはこの時期全米の施設の面接に回り、最終的に希望施設をリストアップします。病院側も採用順位をリストアップして、後日マッチングが行なわれます。

Medical schoolを卒業した後に、一般外科レジデント、心臓外科レジデント、その後のアテングィングの職探し。医局人事などなく、常に競争に揉まれる彼らはやはり大変だなと思いました。
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by ctsurgeon | 2007-03-18 12:47
チーフフェロー1週目
やっと1週間が終わりました。
今週した手術です。だいたい一般的なアメリカのチーフフェローの症例です。

手術以外のdutyとしては月曜日の朝7時から合併症カンファ、水曜日の朝7時15分から心臓外科内科合同カンファ、木曜日の朝7時半から胸部心臓外科グラウンドラウンド、金曜日の朝7時から心臓移植カンファがあり、必要に応じてプレゼンテーションしないといけないので、その準備があります。
あと、院内コンサルトや緊急手術の手配など。今週は緊急が3例(心臓移植2例、カテラボでクラッシュしたAMIに対するCABG+BIVAD)でした。

これだけやっても毎日家に帰れるのは(金曜日は帰れませんでしたが)、やはりコメディカルやICU、フロアでのバックアップ体制が充実しているからだと思います。
(ICUには麻酔科の専属チームが、一般病棟の患者はPA(15人います)が完全にカバーしています)

月曜日
 MVR + Septal myectomy
 Replacement of Asc Ao. Aneurysm
火曜日
 MVR + TVr + Maze
 AVR + CABG x2
水曜日
 Reop. AVR + CABG x2
 AVR
 AVR + CABG x1
木曜日
 MIDCAB (LIMA-LAD)
 Miniimally invasive MV repair
金曜日
 Aortic root replacement (Bentall)
 Reop. heart transplant (s/p AVR/MVR)

1例80才代の患者さんで、術中に危ない目に会いました。
人工心肺終了後大動脈のカニュラを抜いてPAがパースストリングの糸を縛ったら、いとも簡単に組織がちぎれて糸が抜けてしまいました。もう1本外側にも糸をかけているので、今度は自分がそれを縛ったらそれも抜けてしまいあっというまに大出血になってしまいました。最初は指で穴を塞いで出血をコントロールできていたのですが、徐々に穴が広がっていきコントロール不能に。片手は出血をコントロールして動かせない状況で、どんどん血圧が下がって行きます。幸いアテンディングのA先生がたまたま部屋に入って来たので、すぐにソケイ部を開けもらって大腿から人工心肺にのせ、少し冷やして3分間だけ循環停止。超特急でリペアして事なきを得ました。人工心肺に載せたときは指が完全に大動脈の中に入っている状態で、血圧も30くらいになっていたので、術後の脳障害を心配しましたが、事なきを得ました。久しぶりに冷や汗かきました。人工心肺にのせるのがあと5分遅れたら、どうなっていたかわかりません。
 反省点としては2本目の糸を縛る時に下大静脈を一時的にクランプして血圧を50くらいに落した方が良かったかもしれません。良いpurse string sutureだったので、まさか大動脈壁がそんなに脆くて、2本目もちぎれるとは考えませんでした。
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by ctsurgeon | 2007-03-18 00:42