2006年 09月 11日 ( 1 )
心臓移植コール
先月から心臓移植のスタッフコールを取る事になりました。
それで先週初めてアテンディングサージャンとして心臓移植手術をしました。
チーフレジデントのA君の前立ちです。
(心臓移植は全例レジデントが執刀し、スタッフは前立ちとして第一助手に回ります)
彼はすでに20例くらい移植手術を経験しているので、安心して見てられます。

今回はドナーは近所からなので、虚血時間もあまり気にしなくて済みます。
ところが左心房、下大静脈の吻合が終わって、上大静脈の吻合をしようとすると、肝心のドナーの上大静脈が見つからない。。。
「左右逆さまに心臓付けてしもた?」 「上大静脈をどこかに縫い込んでしもた?」 と一瞬バカな事が頭をよぎります。2人であっちをめくり、こっちをめくり、、よく見ると裏の方に引っ付いていました。
頼る人がその場にいないと、下らない事でも焦ってしまいます。

でも自分の判断で手術が進むのは気持ちがいいものです。
心臓移植は吻合技術そのものは難しくないのですが、つなぎ合わせる血管同士の長さや向きに注意しないと、長すぎて折れ曲がってしまったり捩じれてしまったりするので、全体のオリエンテーションを考える事が大切です。「これは長過ぎるで、もう少し切って、向きはこっちにして」とか言い合いながらも無事手術終了。

ドナー300パウンド、レシピエント250パウンドの巨漢同士で、解剖学的にも簡単ではない症例でしたが、新しい心臓はまあ格好良く収まってくれました。患者さんは引き続き腎移植も受けることができ(腎不全も合併してます)、術後も非常に調子よく、このまま上手くいってもらいたいものです。
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by ctsurgeon | 2006-09-11 08:34