Big saving
少し興味深い症例がありました。

17才のやせ形男性。ジムで運動中に突然の胸痛と呼吸困難を訴えて他院のERに。
普通この病歴だと「気胸?」と思ってしまうのですが、検査の結果は以外にも広範な急性心筋梗塞。何でこの若さで。。

と思ったら、やはり心臓カテーテル検査で左冠動脈起始異常と診断されました。
状態が悪くなり挿管、IABP挿入されてうちの病院のCCUに搬送されてきました。

CCUに到着後しばらく落ち着いていたのですが、自己抜管をきっかけに状態が悪化し、3度の心停止。これは何とかせなあかんと、緊急で手術室に搬送中にまた心停止。心臓マッサージしながら手術台に運び、消毒液ぶっかけてそのまま開胸。何とか人工心肺にのせた後、両心補助人工心臓を装着しました。

心停止時間が長かったので脳障害の可能性が高く、諦めムードだったのですが、翌日意識が回復。もとの心臓はもうダメだろうということで、すぐに心移植のリストに載りました。
しかし2−3日したら自己の心機能が少しづつ戻って来ている事がわかり、人工心臓から離脱できる可能性が出てきたため、移植はホールドに。

手術室に連れて行き、左冠動脈起始異常の修復手術をした後、無事人工心臓から離脱することができました。術後は順調です。

冠動脈起始異常は先天的に冠動脈が通常と違う所から出ており、運動などで心臓に負荷がかかった時に周りの心臓組織に冠動脈が圧迫されて、心臓に血液が行かなくなる事があります。致死性の不整脈が出て突然死することが多く、若い人の運動中の突然死の隠れた原因の一つになっています。今回は医療チームの連携が上手く行き、それにもまして患者さんが幸運だったのでしょう。

こういうBig savingはやはり心臓外科の醍醐味だと思いました。
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by ctsurgeon | 2007-01-27 09:01
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