うちの病院では補助人工心臓装着手術が年50例くらい行われています。
完全置換型の人工心臓と違い、補助人工心臓は自分の心臓はそのまま残しておいて、それとは別に心臓の働きを助けるポンプをつけてやります。 ポンプ自体は体の中にあるので、携帯型バッテリーをもって患者さんが退院できるようになっています。 ここ10年くらいこの補助人工心臓の開発が大きく進み、今までは心臓移植までの橋渡しに使われていたのが、移植できない人に人工心臓をつけて、そのまま家に帰ってもらうという使い方もされるようになりました。 その中でも非常に小型の定常流ポンプというものを最近使い始めました。 上の写真は管の中にスクリューのようなものがあり、血液を掻きだすタイプ。 真ん中の写真はコマのようなものが回転してその遠心力で血液を送り出すタイプ。 いずれも手にすっぽり入るくらい小さくて、下の写真のように体からはバッテリーケーブルが外に出てるだけで、携帯バッテリーをつけて自由に外出したりできます。 定常流となるので脈圧はほとんど無くなるのですが、それでも患者さんは普通に生活できるから不思議です。普通の血圧計では血圧計れませんけど。 手術もそんなに難しくなく、3時間くらいで終わってしまいます。 僕が医者になった頃は人工心臓なんておどろおどろしいものでしたが、こちらで補助人工心臓をつけた人が歩き回っているのを見ると、改めてテクノロジーの進歩のすごさを感じます。
by ctsurgeon
| 2006-07-27 01:45
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